「……荷物は?」
「……ない」
「ふぅん」
私はメールで飲み会を断り、少女と帰路についた。
幼く見えるが一体この少女は何歳なのだろうか。
「……私の名前は四季祭。君は?」
少女はふっと私を見上げ、また再び足下を見る。そしてぎゅっと手に力を込めた。
「……諸井ゆき」
「ゆきちゃんか。今日は雪が降らなくて残念だったね。ホワイトクリスマスにならなかった」
「雪は……冷たいから嫌い」
少女はふと、空を見上げた。
「今日はクリスマス? 私の誕生日」
丁度いい。年齢を聞いてみよう。
「へぇ、誕生日か。何歳になったの?」
「……多分、十五歳。去年、お母さんが十四歳だって、ゆきの事をおじさんに紹介してた」
「へぇ」
誰だよ、おじさんって。
私は疑問に思ったが突っ込まなかった。

 

続く