私達は区役所へと向かった。昼間の区役所通りは夜と違ってサラリーマンが多い。夜、帰宅に使う時は客引きやホステスやホスト、ほろ酔いの客で大混雑な道だ。
さて、ネットで調べもせず、ノープランで新宿区役所に来たが、どうしよう。どこの部署へ行ったら良いのだろうか。
少女がぎゅっと私の腕を掴む。
「大丈夫。ゆきちゃんがうちにいられるように、私、頑張るから」
何を頑張るんだと心の中で突っ込んでしまう。
新宿区役所本庁に入るとすぐ左手に案内係がいる。そこで聞いた方がいいのか。いや、どうやって聞けばいいんだ。
ふと正面を見ると、区役所内のフロアマップがあった。
「二階……子ども家庭課……子育て支援課……この辺りかな。二階に上がってみようか」
私は少女と二階に上がった。階段を上ってすぐ右手には高齢者福祉課や障害者福祉課がある。私達はそれらを通り過ぎ、介護保険課、保育園子ども園課を過ぎ、子育て支援課、子ども家庭課の前に来た。
どうしよう……。
私は唾を飲み込んだ。

■ 続く